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工藤遥さんについて私が思うこと。


彼女を何かに例えるとするならば私はかまいたちと答えるだろう。


とても変わった人だと思う。
そして齢16歳であんなことを成し遂げてしまうのもまた、アイドルという環境だからなのか。



私が彼女に興味を持ったのはLOVEマシーンの表情を見たときだった。工藤遥さんの最後のキメのシーンを見るたびに大きな波がするりと押し寄せてくる。気味の悪い後味。ただ彼女から目が離せなくなるほどに気持ちのいい感覚。oh! my wishやTIKI BUN、LOVEマシーン…彼女はアップのシーンになるたびに1つの顔で様々な憶測ができるそんな表情を見せる。アイドル・工藤遥の魅力。彼女が意図せずにそれをやっているのならば天性のアイドルセンスを持つのかと驚く。しかし、工藤遥さんは意図してやっているのではないかと感じる。私は、自分の魅力その全てを知っていてなおかつそれを最大限に活かすことができる16の少女を怖いと思った。そして、その怖さが美しいと感じた。


彼女をここまで敬愛するようになった1つの要因に工藤遥の演技力がある。


樋口叶多、藤子、ドリュー、リオン、ファルス、アサダ


決して恵まれた声質を持つわけでもない彼女が、そのたどたどしい滑舌と真っ直ぐすぎる瞳を輝かせ時に狂いながら垂れる口上を聞く。その次のシーンからわたしはもうその子しか目に入らなくなるほどにその子の感情が気になって仕方がない。工藤遥でも工藤遥が演じる誰かでもないそこに確かにいる登場人物自身に『あなたは今何を考えているの?』と問いただしたくなる。


瞳。


工藤遥の黒目がちで大きな瞳は彼女の最大の武器の1つだ。工藤遥さん自身もそのことをきっと知っている。


樋口叶多(今がいつかになる前に)の迷いなきまっすぐな瞳
藤子(1974ーイクナヨー)の悲しそうなそして迷いを持った瞳
ファルス(LILIUM~少女純潔歌劇~)の狂った悲しそうな瞳


きっと愛されて育ったはずの彼女が愛されていない人を演じるときなぜこんなにも美しくなるのだろう。きっと彼女はアイドルとして愛されたいと強く願っているのではないだろうか?その願いが爆発し昇華され美しくその瞳に映る。10歳のころからその目は変わらない。輝きは保ちながらいつもどこか憂いを持つ。


恵まれないと前述した声質を彼女は愛している。ハスキーは武器だと知っている。確かにそうだ。特徴のある声の方が視聴者に覚えてもらえる。しかし、舞台では?武器にはならない。逆に足かせになる場合もある。けれど彼女はそれさえも工藤遥の武器にしてしまったのだ。それが顕著に感じられるのはLILIUM~少女純潔歌劇~やTRIANGLEで演じた男役なのだろう。


しかし、ドリュー(ステーシーズ 少女再殺歌劇)の登場シーン。バーカ。ハスキーでまっすぐでまだまだ舌足らずだった工藤遥が演じなければあそこまでクスリと笑えなおかつ少し寂しげなバーカは存在しなかっただろう。
リオン(ごがくゆう)のどこまで?も表情と声と言いかた全てが揃った名シーンだと思う。不安げで希望もあり何も知らないリオン。フェイ姫には強がって見せなかった初めての姿。そこからリオンの本当が見えはじめる。くっきりとでも自然にそれをできるのはやはり才能なのだろうか。
アサダ(TRIANGLE)のそれでいい。というセリフもそれならば藤子の翼に対してのどーですか?というセリフ…



見れば見るほど聞けば聞くほど虜になる。



工藤遥さんは自分が可愛いことを知っている。自分が特別なことも知っている。それをナルシストや調子乗りという簡単な言葉で片付けてしまう人もいる。しかし、それこそわたしはアイドルにとって一番大切なことなのでは…と感じるのだ。アイドルなんて自分が可愛いって知ってるからなるもので、ましてやモーニング娘。ハロー!プロジェクトという女性アイドル界の老舗のオーディションに自分が可愛くないと思ってないひとが応募するわけがない。なんて思ってしまうわたしは、自分の容姿に自信があると言ってしまう工藤遥さんに清々しさしか覚えない。ただ工藤遥さんは「私はかわいいです!」と言いながら自分の欠点も知っている。そしてかわいいを強要しない。


あぁ彼女はどこまでアイドルなのだろうか。


所詮アイドル。

日本のアイドル文化は誇るべきものだと思うがアイドルは所詮アイドルだ。女優にも歌手にもタレントにもダンサーにもモデルにもなれやしない。どのカテゴリーにも属さない。アイドルは偶像にしか過ぎない。



アイドルは完璧でいてはいけない。



アイドルはファンがカテゴライズできる隙を見せながら、ファンとアイドルの距離感を保ち、なおかつ成長を見せなければいけない。だからこそアイドルは短命なのだと思う。


ドキドキとワクワク
疾走感と焦燥感



その全てを与えてくれるのがアイドルだ。



全てを悟ってなのかわからない。
ただ儚さと憂いと強さと弱さと優しさと未来と過去と美しさと嘘と本当を持ち合わせるたった16歳のただの少女ではいられない


アイドル・モーニング娘。'16・工藤遥さんに敬意を称して