私が愛した唯一の年下。

はじめに

工藤遥さんは年下だよって話です。

16の瞳

今まで好きになったアイドルはみんな年上だった。19、29、29、21。そこにいたのは成熟してもなお成長を続けるアイドル。そして、青春を捨ててもアイドルを続けようとしてくれた人たちだった。工藤遥(16)という字面に恐怖さえ覚えることもある。16歳の持つパワーが好きになった。若々しくて瑞々しくて、まだ社会を知らない年齢の子が社会の粋も甘いも味わってきて、それでも輝きを放ち続ける瞳が好きだ。工藤遥さんの瞳は美しい。いつだってキラキラしていて、大きな瞳からこぼれ落ちる涙も、目を細くして笑う姿もまっすぐにアイドルだ。だから、怖い。
16歳。今も青春を描ける年齢なのに、そのすべてをアイドルに捧げてしまう潔さが清々しくも悲しくなる。
もしも、アイドルにならなければ……
普通に友達と遊んで
恋をして
部活をして
そんな生活を送れていた。

アイドルをしている人が払ってくれた犠牲に感謝している。そのおかげでたくさんの夢を見させてもらっている。

けれど自分がそれを奪っていくのは心苦しかった。私は弱い人間だ。だから、青春を捧げきったのであろうアイドルを好きになった。好きになろうとした。

工藤遥さんにはそれが通用しなかった。

『今が一番美しい。』

そんな彼女の今を見ないでどうする?
見逃せない。そう思ったアイドルは初めてだ。